国民の象徴(パグリー作曲)
記念すべき1作目である。
当時吹奏楽部の練習曲として配布した曲である。
「どうも、演奏が思い通りに行かない」「試しに、クラリネットのパートだけ入れてみたらどうなるか」
とS村教諭が3パート入れてみたのが始まりであった。
「トランペット入れてみたらどうなるか。」「トロンボーンは」と、S木教諭が生徒への合奏指導中にセッションは進められた。
ほとんどの楽器を録音したあと
「S木先生、テューバ入れてみませんか?」
とテューバも録音。
「S木先生、パーカッションも入れられませんか?」
以外にも、高校時代に1度だけコンクールにパーカッションで出場したことのあるS木教諭は、パーカッションも録音。
すべて録音されたあとに、リバーブをかけ視聴してみると、なかなかの出来。
作品ができあがったあと、野球部からの依頼で宗谷新聞社杯開会式演奏時の移動ではこの演奏を繰り返し聴いていたことを思い出す。
フルートパートはクラリネットで演奏されている。
吹奏楽のための民話(カウディル作曲)
行進曲では飽きたらず、吹奏楽経験者では必ず演奏したことのある曲に挑戦することとなった。
初めて、フルートパートをソプラノリコーダーで録音する。素朴な仕上がりとなった。
セッションは音楽準備室で、ヘッドフォンをモニターしながら進められる。
生徒が余りの静けさにそっとドアを開け、レコーディングの様子を見学。
間違うと生徒からも「あーぁ」とため息が漏れていたことも思いでの一つ
この曲は、吹奏楽部の練習と並行して進められたので、当時パーカッション初心者だった1年生が「タッタカタッタカ」と小太鼓をさらっている音も聞こえる。
できあがった作品を地元の吹奏楽団の団員に聞いてもらったところ「無難な演奏ですね」というお言葉をいただいた。
アレルヤ!ラウダムス・テ(リード作曲)
S村教諭が「最初で最後」サキソフォンも担当する。
・・・とても後悔したとのこと。
この曲はオルガンパートがある。
中高生の演奏では、使用されて演奏される機会が少ない。
「これは入れるしかない」ということで、録音する。
もちろん「クラビノーバ」を使用。
アルヴァマー序曲(バーンズ作曲)
この年、高文連名寄支部音楽演奏会において、この曲を取り上げた団体があった。
「・・・これは、録音するしかない」
すべての管楽器を入れ終わった段階で、モニターする。
「あまり、おもしろくないですね。」
ところが、シンバルパートを入れたとたん、全体の印象がぐっと良くなった。
「これは、続きを入れるしかないですね」
パーカッションパートまですべて入れ、完了。
この年の合宿の移動中、「移動中」「買い出し中」終始車の中ではこの演奏が流れていた。
エル・カミーノ・レアル(リード作曲)
この曲も、高文連にて取り上げた団体があった。
モシーナ史上初めて、ホルンが重要なメロディーを受け持つことになる。
S村教諭が、ホルン4パート録音後
「・・・一つ一つのパートはボロボロだけど、4本そろって演奏されていると何とかなるもんなんですね。」
と感想。
この曲のカスタネットは、S村教諭が過去に学校へ売りに来た「竹細工」の商品中から選定した楽器である。
「カエル」の形をしているが、音質は教育用の「赤・青カスタネット」などに比べ、安価ではあったが重宝された。
また、マリンバのパートは原曲の雰囲気を尊重し、「ギター」で入れられている。
この年は、高野連の北北海道大会が稚内で開催され、市内三校の合同バンドにより開閉開式で演奏を行った。
そのとき、高文連で演奏したW高校の顧問に、この演奏を聴いていただき「おぉ」と驚かれた記憶がある。
バラの謝肉祭(オリバドッティ作曲)
全パートS村教諭が録音
セッション日は、定期考査中で空き時間を利用して録音。
今まで、楽器間のバランスはミキサーに頼っていた面があったが、この録音は楽器の強弱やニュアンスを重視してレコーディングされる。
各楽器の中で一番手強かったのがテューバだったとのこと。
「なかなか、音が当たらないんだよね・・・」
組曲「惑星」より木星(ホルスト作曲)
当時、障害者オリンピック(パラリンピック)が稚内で開催されていた。
開会式等での演奏を依頼され参加する。
式典中の合間を見て、各楽器のさらいが行われ、初のアレンジ作品ということで、気合い十分で録音。
「・・・いまいちだったね。」
「アレンジが原調よりも1音低い」「金管楽器を多用した編曲」などが原因かと思われるが、期待通りの仕上がりにならなかった作品であった。
大抵、車の中でいろんな方にモニタして感想を聞いていただくのだが、とある日のカレー屋さんからの帰り、S村教諭の奥さんにも聞いていただいたが、首を傾げられてしまった。
吹奏楽のための小狂詩曲(大栗裕作曲)
初の邦人作品である。
この年の北海道稚内商工高等学校吹奏楽部の吹奏楽団体コンクール参加曲である。
生徒たちに見本として聴かせるのも目的の一つであった。
わずか2日でセッション終了。
ピッコロパートに初めて340円のソプラニーノリコーダーを使用する。
デクレッシェンドをリコーダーで使用とすると、音程が下がってしまい苦労をしたが、ピッコロ以上にピッコロらしい効果となった。
また、ホルンパートのグリッサンドは、4パート録音の後、うまくいったパートのみミキサーで調整してリミックスされている。
アルメニアンダンス・パートⅠ(リード作曲)
初級・中級バンド向けの曲ばかりのレパートリーの中、10分を越える曲にチャレンジしたのはこれが初めての作品。
稚内地区吹奏楽団体コンクールの審査員として、サキソフォン奏者のI林氏が来稚される。
モシーナのメンバーは、サクソフォンパートを入れず、エキストラとしてI林氏にセッションを依頼する。
一つ一つのパートの録音に約12分ずつかかるため、完成までには少々時間がかかったが、レパートリー拡大に貢献した作品。
「まぁ、簡単に出来てしまいましたね。」
とS村教諭
チューバは、当時学校にあった「3本ピストン」の楽器を使用して録音。
「S木先生は、ヤマハを使いこなしているね」
とのこと・・・
シンフォニア・ノビリッシマ(ジェイガー作曲)
各楽器の録音前に、「手拍子」などで、カウントを1トラック目に入れ、テンポ等の設定を行う。
この作品のテンポ設定はS木教諭が担当した。
一番最初はS木教諭のテューバからの録音となった。
職員室からも録音の様子が漏れてくる。
「あー、S木先生いれてるなぁ」とS村教諭が職員室で様子を聴いていたが、突然音がしなくなる。
気になって、音楽室へ行くと、半べそをかいたS木教諭
「楽器、こわれてしまいました」
テューバの第4ロータリーが壊れてしまっていました。
第1~第3ロータリーのみでも演奏は可能のため、続行されました。
音程の面で後に重ねていく楽器に迷惑をかけながらの録音になりましたが、モシーナのアンサンブル力により、見事なハーモニーが決められている部分を多数聴くことができる。
昼間部で、もし「ガサガサ」と言う音を聞くことが出来たら、それはS村教諭がトロンボーンの録音中に音楽準備室を整理していたS木教諭の持っていた「ゴミ袋」の音である。
歌劇「売られた花嫁」序曲(スメタナ作曲)
S木教諭が、見学旅行引率中に録音が開始される。
名曲ではあるが、高度な技術を要求するため、なかなか吹奏楽で演奏される機会が少ない。
しかし、S村教諭は大学時代に演奏経験(名演であった)のある曲である。
クラリネットのコンビネーションは絶句。
見学旅行から帰ってきたS木教諭によって、テューバ、ティンパニーパートを入れ完了。